・散手(さんじゅ)=左舞 散手破陣楽といい、林邑五破陣楽の一つの雄壮な武舞である。 これは神功皇后の時に率川(いさがわ)明神が先頭にたって軍士を指揮したさまをあらわしたものといわれている。 舞人は赤い隆鼻黒髭の威厳のある面をつけ別様の鳥甲をかぶり、毛べりの裲襠装束を着け、太刀を佩き、鉾をもって舞う。 その舞い振りは勇壮活発で、武将らしい荘重な感じが漂っている。一人舞である。序と破が伝わっている。
・落蹲(らくそん)=右舞 納曽利の二人舞をいう。枕草子に「落蹲は二人して膝踏みて舞ひたる」とあるのがこれで、南都楽所の右方舞である大神(おおが)流独特のものである。相撲の勝負舞として舞われ、抜頭と一対をなす。 以上の三番(六曲)を走舞(はしりまい)という。