第十一番 大和士(やまとし)
射手児を先頭に流鏑馬を奉納した大和武士の伝統を受け継いでいるのが、願主(がんしゅ)役・御師(おし)役・馬場役 ・大和士などの一団である。おん祭はもとは興福寺衆徒が主宰していたが、衆徒(僧兵)国民(武士)が大小名化すると、若宮祭礼流鏑馬願主人を名乗り、ついにはおん祭全体の主催者のようになった。彼らは六党に分れて交代で願主人等を勤めていたが、豊臣秀吉の全国制覇で壊滅してからも、六党の一つ長谷川党の法貴寺氏人が願主人に仕立てられ、さらに明治維新後は旧神領の人々がこれを勤めて現在に至っている。
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