第八番 流鏑馬(やぶさめ)
赤の水干に笠(つづらがさ)をかぶり、背に箙(えびら)を負い重藤(しげとう)の弓を手にした少年は揚児(あげのちご)・射手児(いてのちご)である。大和国内の士らは華やかな流鏑馬を神前で繰り広げた。このいわば稚児の流鏑馬ともいえるものは、かがり火をたいて夜中に催され、この時神前ではこれの前に行われた競馬の勝負の舞として舞楽が奉納されたという。
 旧儀通り揚児を先頭に都合三騎の稚児が、一の鳥居内の馬場本を祝投扇(いわいのなげおうぎ)の所作をおえて走り出し、一の的より三の的まで順次射ながら進んでいく。
[CLOSE]