第一番 日使(ひのつかい)
赤衣(せきえ)に千早(ちはや)と呼ぶ白布を肩にかけ先を長く地面に引いて進むのが「梅白枝(うめのずばえ)」と「祝御幣(いわいのごへい)」で、次に青摺りの袍を着けた「十列児(とうつらのちご)」(騎馬。四人。巻纓冠(けんえいかん)に桜の造り花を挿し、お旅所では東遊(あずまあそび)を舞う。)、頂に鶴を飾った風流傘を差掛けられた「日使」(騎馬。一人。黒の束帯(そくたい)に藤の造り花を冠に挿す。)が続く。日使(ひのつかい)とは関白藤原忠通がこの祭に向かう途中、にわかに病 となり、お供の楽人にその日の使いをさせたことに始まるといわれる。関白の格式を表わすものとして、この行列の中心的な存在といえる役である。その後には緋色の衣冠に山吹の造り花を冠に挿したお供の陪従(べいじゅう)(楽人。二人。)が続き、松の下では馬上で短かい曲(音出(こわだ)し)を奏する。
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