第六番 馬長児(ばちょうのちご)
山鳥の尾を頂に立てたひで笠をかぶり、背中に牡丹の造り花を負った騎馬の美しい少年は馬長児(ばちょうのちご)である。もとは興福寺学侶が輪番で頭人となり稚児を出していた。
 その後には、五色の短冊をつけた笹竹を持ち、龍の造り物を頭にいただき、腰に木履を一足吊り下げた従者が二人ずつ従う。これは「一つ物(ひとつもの)」と呼ばれるが、もとは児そのものが「一つ物」ではなかったかと言われ、馬長児はお渡り行列の一つの中心であった。
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